【初心者向け】知らないと騙される!不動産投資の利回りとは?

【初心者向け】知らないと騙される!不動産投資の利回りとは?

不動産屋に想定利回り10%の超優良物件を勧められました!これって早く買うべきですよね!?

ちょっと待って、想定利回りだけで判断するのは危ないかも知れません!そもそも利回りとは何かから勉強しましょう!

楽待や建美家のようなポータルサイトを見ると必ず「利回り」という表記がありますよね?
不動産投資家たちの会話の中で、「利回り」という言葉が出てくるのをよく見かけます。

「利回り」とは一体何なのでしょうか?

不動産投資初心者はまず初めに覚えなければいけないこの考え方を、徹底解説します。

初心者必読、不動産投資の利回りとは?

不動産投資利回り01

不動産投資を始める上で、物件の良し悪しを判断する基準として「利回り」という概念があります。

利回りを簡単に説明すると

投資した金額に対してどれくらい収益が上がるか投資費用対効果を表した数値

です。

この数値を見ることで、その物件でいくら稼ぐことができるのかを瞬時に判断することができます。

不動産投資家の多くはそれぞれ最低限確保したい利回りの基準を持っており、利回りをみて投資に値する物件かどうかを判断します。
ちなみに、地方物件を中心に投資をしている私は実質利回り20%を基準に不動産投資の投資判断を行っています。

不動産投資初心者は、まず「利回り」について理解して自分の中で絶対に欲しい利回りの基準を作りましょう。

利回りには3種類ある!?

実は、利回りは1種類ではありません。「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3種類存在します。

この3種類の違いをしっかり理解せずに不動産を購入してしまうと、不動産投資で大失敗してしまうこともあります。

利回り10%なのに、手残りが残るどころかむしろ赤字になってしまった…。

なんてことも。。
そんなことにならないよう、3種類の利回りの違いを理解しましょう。

表面利回り

表面利回り」とは、不動産投資における経費を考慮しない利回りです。大まかに収益を知りたい時に使用します。
単に利回りといわれたらこの「表面利回り」を指すことが多いです。

表面利回りはこのような計算式で計算します。

$現在の年間家賃収入 ÷ 物件の購入価格 × 100 = 表面利回り(%)$

現在の年間家賃収入は、不動産の空室率も考慮に入ったものなのである程度実態に即した数値となっています。

ちなみに、楽街では表面利回りが利回りとして表記されています。

想定利回り

「想定利回り」とは、表面利回りの空室率も加味されている「現在の年間家賃収入」「満室時年間家賃収入」に置き換えたものになります。

想定利回りはこのような計算式で計算します。

$満室時年間家賃収入 ÷ 物件の購入価格 × 100 = 想定利回り(%)$

ちなみに、建美家では想定利回りが利回りとして表記されています。

建美家のように満室時利回りとして明記されていればまだ良いですが、不動産会社やメディアによっては想定利回りを表面利回りとして使っていることもあるので注意が必要です。

実質利回り

「実質利回り」とは、表面利回りに「年間経費」「購入時の経費」を加味した収益率です。
表面利回りよりも現実に即した数値で、不動産投資で失敗しないためには必須となる考え方です。

実質利回りでは、以下のような経費を考慮に入れます。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 不動産取得税
  • 購入時の修繕費
  • 仲介手数料
  • 管理費
  • 修繕積立金 等

実質利回りはこのような計算式で計算します。

$(年間家賃収入 - 年間経費)÷(物件の購入価格 + 購入時経費)× 100 =実質利回り(%)$

実質利回りを出している不動産屋やポータルサイトはありません。
不動産の購入判断をする際は、実際に実際に収益があるのか現実に近い数値を知るために必ず「実質利回り」を計算しましょう

騙されるな、想定利回りは当てにならない!

不動産投資利回り02

絶対に、満室時のケースのみを想定している「想定利回り」だけで投資判断をしてはいけません

なぜなら、不動産投資において常に満室ということはないからです。

LIFULL HOME’Sの全国の賃貸用住宅の空室率一覧によると…

・空室率が低いと推測される東京の空室率14.5%
・最も空室率の高い福井県の空室率30.1%

例えば、4,000万円で福井県に10室のアパートを購入したとしましょう。

1室あたり3万円の家賃で貸し出すとすると想定利回り
$ (3万円 × 10室 × 12ヶ月) ÷ 4,000万円 × 100 = 9$
となり想定利回りは9%となります。

ところが、実際は常に3室は空室です。空室率を加味した表面利回り
$ (3万円 × 7室 × 12ヶ月) ÷ 4,000万円 × 100 = 6.3$
となり表面利回りは6.3%となってしまいました。

このように、「想定利回り」「表面利回り」では大きな差が出てしまいます。
ここまで差が出てしまうと、経費やローンの返済を考えると手残りが残るどころか毎月赤字という状態に陥ってしまいます。

常に満室なんていうことはあり得ないので、投資判断をする際に「想定利回り」は考えなくても良い数値かと思います。
もし不動産家に想定利回りを提示されたら、必ず空室率を聞いて表面利回りを計算するようにしましょう。

実質利回りを知れば不動産投資失敗のリスクは減らせる

不動産投資初心者によくある失敗は、経費を想定していなかったためにキャッシュフローがマイナスになってしまうということではないでしょうか。

建物の修繕費や、固定資産税、都市計画税、不動産取得税等の各種税金、毎月の管理費用など、不動産投資では多くの経費が発生します。
これらの経費を不動産購入判断の際に考慮に入れ、実質利回りとしてしっかり把握しておきましょう

例えば、表面利回り10%4,000万円のアパートの購入を検討しています。
このアパートを経営するために以下のような経費がかかると想定します。

■年間経費
 固定資産税・都市計画税:70万円
 管理費(年間)    :30万円
■購入時経費
 不動産取得税     :100万円
 購入時の修繕費用   :500万円
 仲介手数料      :140万円

$(400万円 - 100万円)÷(4,000万円 + 740万円)× 100 = 6.3$

この物件の実質利回りは6.3%です。金額にすると年間252万円が収益となります。
例えば、フルローンで4,570万円、20年間元利均等、金利3%で融資を受けていたとすると年間の返済は約305万円
毎年53万円の現金がマイナスとなってしまいます。

これだとちょっときついですよね。。
このような失敗をしないためにも、購入前に実質利回りは必ずチェックしましょう。

不動産投資、利回りの目安は?

不動産投資かによって考え方は違いますが、一般的に首都圏だと実質利回り10%地方だと実質利回り15%ほどあれば高利回り物件であると思って良いでしょう。

私の場合は不動産競売で物件を取得することが多いので、地方で実質利回り20%以上を基準に物件購入の判断をしています。

取り扱う物件によっても基準となる利回りは変わってくきます。
自分の中で、チャレンジしたい不動産投資手法に応じた、実質利回りでの判断基準を持つことが不動産投資家になるための第一歩ではないでしょうか!

まとめ

  • 投資した金額に対してどれくらい収益が上がるか投資費用対効果を表した数値
  • 「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」の3種類の利回りが存在する
  • 「想定利回り」机上の空論
  • 物件購入前に必ず「実質利回り」を計算する
  • 自分の投資判断基準となる「実質利回り」での利回り基準を持つ

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