不動産競売やってみたいです!でも、競売にどうやって参加したら全くイメージできません。。。
わかりました。本日は不動産競売の入札から落札後の手続きまでの流れを説明しますね!
競売大家おかぴです。前回の記事では、不動産競売のメリット・デメリットをお伝えしました。
競売には多くのデメリットもありましたが、それでも入札に値するメリットもありましたね。
やってみたいと感じた方は、早速入札してみましょう!
本日は、不動産競売の手続きの具体的な流れを説明していきます。
不動産競売の入札から落札後の手続きまでの流れ
競売は、地方裁判所またはその支部によって開催されています。そのため、入札から落札後の手続きまで全て裁判所とやり取りを行い進めていきます。
裁判所とのやり取りではメールを使うことができないため、郵送、電話、ファックスで行います。
入札から落札後の所有権移転までの流れを解説します。
①競売で入札する物件の調査・選定
まずは、入札したい物件の調査・選定を行います。
競売に出ている物件は全てインターネット上で閲覧することが可能です。
競売参加者は主に以下の2つのサイトを使用しています。
BIT
裁判所が運営している不動産競売情報サイト
981.jp
民間で運営している不動産競売情報サイト
この二つのサイトの違いは運営者です。
BITは裁判所、981.jpは民間企業によって運営されています。
入札物件の選定を行う際には、これらのサイトから三点セットという物件に関する資料をダウンロードして物件の調査を行います。
どちらのサイトからも資料のダウンロードは可能ですが、個人的には981.jpの方が使い勝手が良いと感じています。
BITは裁判所運営なので開札情報の掲載が早いです。
ただ、物件を検索する際には裁判所・支部毎の検索となってしまうので、全国を対象にして入札を行いたい場合は少々使いづらいです。
一方、981.jpは全国を対象に検索が可能です。
また、バーチャル入札という競売シミュレーション機能がついていたり、有料会員になると過去の競売の資料がダウンロードできたりと便利な機能を使うことが可能です。
私は、物件の調査は981.jp、開札結果の確認はBITというように使い分けています。
入札物件の選び方については、また別記事で詳細を解説します。
②入札期間中に落札したい競売物件に入札
入札したい物件が決まったら、いよいよ入札です。
入札に必要な書類を集める
まずは入札書、振込依頼書、入札保証金振込証明書を入手します。
これらの書類は入札したい物件を管轄している地方裁判所、またはその支部から入手します。
入手方法は以下の2パターン存在します。
- 裁判所に直接行って入手する
- 郵送で入手する
裁判所に行って直接入手する場合は、入札対象物件を管轄する裁判所の営業時間内に執行官室へ行って入札書を入手します。
郵送で入手する場合は、入札書が欲しい旨を記載した書面と切手を貼った返信用封筒を同封し物件を管轄する裁判所の執行官室宛に郵送します。
ちなみに私は、以下のような文面で入札書郵送を依頼しています。
執行官室ご担当者様 貴裁判所の不動産競売用入札書を5組送付お願いいたします。 お手数おかけいたしますが何卒よろしくお願いいたします。 住所:[自分の住所] 電話:[自分の電話番号] 氏名:[自分の氏名]
何度か入札することもあるかと思うので、5組程度一度に請求することをお勧めします。
参考までに、静岡地方裁判所の入札書、振込依頼書、入札保証金振込証明書です。
各裁判所によって書類のフォーマットや入金先が異なるので裁判所をまたいでの使い回しはできません。
保証金を入金する
裁判所から書類を入手したら、保証金を入金しましょう。
保証金は、各物件毎に定められている買受基準価額の2割の金額です。
この金額を裁判所から入手した振り込み依頼書に記入して銀行で振り込みます。
ちなみに、郵便局で入金を試したことがあるのですが取り扱ってもらえませんでした。ご注意ください。
入札書類の記入を行う
入札に必要な書類は以下4点です。
- 入札書
- 振込依頼書
- 入札保証金振込証明書
- 住民票(法人なら代表者事項証明書又は登記事項証明書)
入札書は入札金額や入札者の情報を記載する書類です。
入札金額は、事前に定められている買受基準価額の8割の金額の買受可能価額以上の金額を記載してください。
買受可能価額はBITや981.jpからも確認することが可能です。
振込依頼書は保証金を入金した際に使用した書類でしたね。
この書類が保証金を入金した証明になります。
入札保証金振込証明書に貼り付けて提出します。
入札保証金振込証明書は落札できなかった際に保証金を返還してもらうために、返還先口座を記載する書類です。
上記書類に加え、本人確認のために個人であれば発行後3ヶ月以内の住民票、法人であれば発行後3ヶ月以内の代表者事項証明書又は登記事項証明書を同封します。
これらの書類に不備がある場合、または不足している場合は入札が無効となってしまうので誤りがないように注意して記載しましょう。
また、「入札した価格を忘れてしまった」なんてことにならないように、提出する書類のコピーまたは写真を撮っておくと安心です。
入札書を提出する
記入が終わった書類を裁判所に提出します。提出方法は以下の2つの方法があります。
- 裁判所の執行官室へ直接提出する
- 郵送で提出する
裁判所へ直接提出する場合は、入札書を入手した際と同様執行官室へ提出しましょう。
郵送で提出する場合も入札書取得の際と同様執行官室へ郵送します。
入札期間を過ぎての提出は一切受け付けられませんので、余裕を持って提出するようにしましょう。
③競売物件の開札結果を確認
開札期日になったらBIT、または981.jpで開札結果を確認することができます。
裁判所によって異なりますが、BITであれば13:00〜16:00くらいの間に更新されることが多いです。
981.jpはBITより少し遅く、毎日17:00に更新されています。
バーチャル入札に登録しておけば、メールでも開札結果が届くので便利です。
開札結果は最高価買受人の入札価格のみ表示されています。
自身が入札した価格と最高価買受人の落札価格が一致していればほぼ落札確定です。
まれに、最高価買受人が複数人というケースも存在するので自分が落札者か確実に知りたい場合は裁判所に最高価買受人が何人いたか聞いてみましょう。
一人であれば、あなたが落札者で確定です。
ちなみに、裁判所は最高価買受人の名前を聞いてもプライバシー保護の都合上回答してくれないので気をつけましょう。
落札価格はBIT、981.jpそれぞれ以下のページから確認できます。
開札結果確認ページでは、売却価額の他に入札者数や落札者が個人か法人か等も確認できます。
■BITの開札結果確認ページ
■981.jpの開札結果確認ページ
④裁判所による売却許可決定
開札期日の約1週間後に売却許可決定がされます。
裁判所で、最高価買受人が売却に値するか審査されます。買受人として問題があると判断された場合売却不許可決定がされます。
一般人であれば、基本的に問題なく売却許可決定されるはずです。
⑤代金納付期限通知を受け取る
売却許可決定をされた後、裁判所から正式な買受人として代金納付期限通知が特別送達で郵送されます。
ちなみに、特別送達とは本人しか受け取ることができない郵送方法です。
代金納付期限通知が届いたら、代金納付に必要な書類の収集、残金の納付、占有者とのリースバックもしくは退去の交渉を進めることができます。
⑦代金納付・所有権移転登記等の嘱託
代金納付の書類収集、残金の納付が完了したら以下の方法で代金納付手続きを実行します。
- 直接裁判所へ行き代金納付手続きを行う
- 郵送で代金納付手続きを行う
代金納付手続きについても直接裁判所で行うか、郵送で行います。
代金納付手続きは担当が執行官ではないので、提出先は執行官室ではありません。提出前に担当部署を裁判所に確認しましょう。
また、代金納付手続きは一般的には直接現地で行います。
現地に行くことができず郵送で行う場合は、念のため事前に裁判所へ郵送で手続きしたい旨連絡しておきましょう。
代金納付手続きが完了したら、裁判所の方で所有権移転登記等の嘱託を行ってもらうことができます。
代金納付手続きさえ問題なく終われば、後は裁判所がよしなにやってくれるので所有権移転登記が完了するまで待ちましょう。
登記が完了すれば、不動産競売の一連の流れは完了です。
こちらの記事では、不動産競売で物件落札後の占有解除(居住者に退去してもらう)してもらう方法を説明していますのでぜひご覧ください!
まとめ
不動産競売の流れ
①競売で入札する物件の調査・選定
BITや981.jpで入札したい物件探し
②入札期間中に落札したい競売物件に入札
各種書類を裁判所から入手
保証金の入金
入札書類に必要事項を記入して裁判所へ入札期間内に提出
③競売物件の開札結果を確認
BITや981.jpで開札結果を確認
④裁判所による売却許可決定
裁判所で正式に買受人として認められる
⑤代金納付期限通知を受け取る
代金納付期限通知を受け取り代金納付の手続きを進める
⑥代金納付・所有権移転登記等の嘱託
代金納付を完了させて所有権移転登記を完了させる