不動産競売なら不動産を安く手に入れることができるんですよね!?僕も参加したいなー。
必ず安く手に入れられるとは限りませんが…。
ただ、不動産競売は誰でも簡単に参加することができます!
今回はそもそも不動産競売とは何か?メリット、デメリットを説明します。
不動産競売とは?
そもそも不動産競売とはどういったもの何でしょうか?
競売は”けいばい”と読みます。
不動産競売は、債権者が債務者から債権を回収できない場合に不動産を強制売却して債権を回収する手段です。
債権者が地方裁判所に強制競売を申し立て、地方裁判所管轄で実施されます。
競売には担保不動産競売と強制競売、2種類のパターンが存在します。
担保不動産競売
担保不動産競売とは、抵当権や根抵当権が設定された不動産に対して債権者が担保不動産競売を申し立てた際に実施される競売です。
ほとんどの場合が、抵当権を設定して住宅ローンを組んだが返済できなくなったと言うパターンです。
担保不動産の場合、「令和○年(ケ)第○○号」といったように事件番号に(ケ)と言う記号が付与されています。
強制競売
強制競売とは、債務者や保証人が保有する抵当権や根抵当権が設定されていない不動産に対して実施される競売です。
強制競売はその名の通り、債務者や保証人の意思関係なく強制的に実行されます。
強制競売の場合、「令和○年(ヌ)第○○号」といったように事件番号に(ヌ)と言う記号が付与されています。
これまで1,000件近く競売の資料を読んできましたが、強制競売の占有者の方が占有解除の際にトラブルになる確率が高そうな方が多い印象です。
不動産競売のメリット・デメリットは?
不動産競売なら安く物件を仕入れることもできる一方、デメリットも存在します。不動産競売での不動産取得のメリット、デメリットを説明します。
不動産競売のメリット
- 市場価格よりも安く不動産を取得できる可能性がある
- 物件に関しての詳細な資料が公開されている
- 占有者をそのまま入居者にする形でのオーナーチェンジを狙える
- 消費税がかからない
■市場価格よりも安く不動産を取得できる可能性がある
不動産競売は一般売買と比較するとリスクが多いこともあり、一般人が参入するハードルは高いです。よって、参加者の多くは不動産業者です。
不動産業者は転売目的で購入するため、売却予想価格から売却用のリフォーム費用と業者のマージンを差し引いた金額で入札します。
よって、競売では業者の仕入れ価格で落札することも可能です。
■物件に関しての詳細な資料が公開されている
また、不動産競売では三点セットという何十ページにも及ぶ物件の詳細資料が公表されています。これも不動産競売の魅力の一つです。
一般売買の一枚ペラのマイソクとは比べ物にならない程の情報が詰め込まれています。
■占有者をそのまま入居者にする形でのオーナーチェンジを狙える
多くの不動産競売で取引される物件に、占有者が居住しています。
落札後占有者の方とやり取りをして、そのまま店子として落札した物件に家賃を払ってもらい住んでいただくことも可能です。
これまで落札した物件の占有者の方とお話してわかったのは、家賃を払ってでも住み続けたいという意思があるということです。
条件が合えばそのまま住んでいただき、リフォーム費用、客付けの手間をかけずに収益化することができます。
ちなみに私もオーナーチェンジを成功させた物件があるんですが、利回りは60%になりました!競売において、オーナーチェンジは利回り、収益化までの期間の面でかなりおいしいです。
ちなみに、オーナーチェンジの可能性があるかは三点セットから判断することが可能です。
■消費税がかからない
一般売買では建物価格に消費税が発生しますが、不動産競売では消費税が発生しません。これも不動産競売で不動産を取得するメリットです。
不動産競売のデメリット
- 競合が多い地域では市場価格と変わらない価格で落札される
- 占有解除の際に占有者とのトラブルが起こる可能性がある
- 融資を引きづらい
- 収益化まで時間がかかる
- 売主に瑕疵担保責任はないので全ては買受人の自己責任
- 入札前に物件の中を見ることができない
■競合が多い地域では市場価格と変わらない価格で落札される
基本的には市場価格よりも安く物件を仕入れることができる競売ですが、首都圏など個人の競売参加者が多い地域では落札価格が市場価格、またはそれ以上になるケースもあります。
■占有解除の際に占有者とのトラブルが起こる可能性がある
うまく行けば店子として住み続けていただく可能性もある占有者ですが、落札後になかなか退去してくれないなどトラブルが起こることも多々あります。
そのような場合、下手に占有者に関わらずすぐに裁判所に引渡命令申立を行い裁判所をうまく利用して有無を言わせず退去してもらいましょう。
■融資を引きづらい
落札してから残金納付までの期間が約1ヶ月しかありません。
融資を引いて競売物件を取得したい場合は、この期間で融資を引いてこなければ行けません。
もし、この1ヶ月で融資を引いてくることができなければ現金での残金納付、または入札時に入金した買受基準価額の20%の保証金を没収された上に物件の取得を諦めることになります。
私も競売で融資を引いた経験があります。日本政策金融公庫から競売物件取得費用をフルローンで引くことができたんですが、入札前から融資の相談をしていました。
ただ、入札前だと落札できるか不明な状態での相談になるので、あまり多用はできないなと感じました。
■収益化まで時間がかかる
不動産競売は一般売買と比べると収益化までに時間がかかるのもデメリットです。
入札から占有者に退去してもらうまで最短でも3ヶ月はかかります。
更に残置物撤去、リフォーム、客付けまで考えると大体入札から収益化まで6ヶ月程度は見ておいた方が良いでしょう。
■売主に瑕疵担保責任はないので全ては買受人の自己責任
不動産競売において、売主に物に対する瑕疵担保責任はありません。
例えば、「実はシロアリに建物が食われてた」「雨漏りが酷かった」というケースで売主に責任を求めることはできません。
あくまでも自己責任での購入となります。
ただ、基本的に三点セットに物件の問題点はある程度記載されているのでよく読み込めば大きな失敗はしないでしょう。
■入札前に物件の中を見ることができない
不動産競売では、残金納付をして占有者に退去してもらうまでは物件の中に入ることができません。
なので、入札の段階で自分の目で物件の中を見ることはできません。
代わりに、裁判所の執行官が建物の中に入って調査した結果が三点セットに記録されているので三点セットを読み込めばある程度の状態は判断することが可能です。
まとめ
■不動産競売には担保不動産競売と強制競売の2種類存在する。
■不動産競売にはメリットとデメリットがある。
メリット
・市場価格よりも安く不動産を取得できる可能性がある
・物件に関しての詳細な資料が公開されている
・占有者をそのまま入居者にする形でのオーナーチェンジを狙える
・消費税がかからない
デメリット
・競合が多い地域では市場価格と変わらない価格で落札される
・占有解除の際に占有者とのトラブルが起こる可能性がある
・融資を引きづらい
・収益化まで時間がかかる
・売主に瑕疵担保責任はないので全ては買受人の自己責任
・入札前に物件の中を見ることができない
不動産競売の入札から落札後の手続きの流れをまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください!